「戦略コンサル ランキング」で検索すると、転職向けに人気・年収・選考難易度で並べた記事が多く見つかります。一方、依頼を検討する経営者・事業責任者に必要なのは、自社の課題に合う専門性を持ち、提言後の実行にも必要な範囲で関わる依頼先を見つけることです。
この記事では、ランキングとTier区分の読み方、主要14社の一覧、事業戦略の課題別に専門性と伴走力で選ぶ方法、費用の考え方を整理します。筆者はATカーニー出身のコンサルタントとして、大手ファームの内側と外側の両方を経験してきました。その立場から、順位だけでは分からない「発注者が確かめること」をお伝えします。
戦略コンサルのランキングは、何を基準に並べたものかを先に確かめる
公開されているランキングの多くは、次のいずれかの基準で並べています。基準が違えば順位も変わり、どの順位も「自社の依頼先としての適合度」を示すものではありません。
| ランキングの基準 | 分かること | 発注者が別に確かめること |
|---|---|---|
| 転職市場での人気・選考難易度 | 採用市場での評価や知名度 | 自社の課題を担当するチームの経験 |
| 年収・報酬水準 | 社員の報酬の目安(記事ごとの推計を含む) | 見積りの単価と体制 |
| 売上高・人員規模 | 組織の大きさと対応できる案件の幅 | 実際に関わる人数と担当者 |
| 発注者向けの比較(本記事) | 支援領域と、公式情報で確認する入口 | 提案内容、成果物、実行支援の範囲 |
本記事は順位を付けず、発注者が比べる軸で主要ファームを並べます。順位の上下を、自社への適合度に読み替えないことが出発点です。
戦略コンサルのTier区分は、公式な格付けではない
「Tier1」「Tier2」は、戦略ファームを知名度や採用市場での位置づけでまとめる呼び方です。各社や業界団体が定めた区分ではなく、記事によって含まれるファームも異なります。よく見られる使われ方は次の通りです。
| 呼び方 | よく含まれるファーム | 発注時の見方 |
|---|---|---|
| Tier1(MBB) | マッキンゼー、BCG、ベイン | 全社戦略など大きな経営判断を扱う候補。体制と単価を見積りで確認する |
| Tier2(外資系戦略ファーム) | カーニー、ローランド・ベルガー、アーサー・ディ・リトル、Strategy& | 業界・機能の専門性で比べる候補 |
| 日系戦略ファーム | ドリームインキュベータ、経営共創基盤、コーポレイトディレクション | 自社の意思決定や現場の進め方に合う支援方法で比べる |
| 総合系ファームの戦略部門 | デロイト、アクセンチュア、EY、KPMG | 戦略から業務・システムの実装までの体制で比べる |
Tierは品質の順位ではありません。特定の業界・機能では、Tier2や日系のファームのほうが担当者の経験が深いこともあります。課題に照らして候補に入れ、提案と担当者で判断します。
戦略コンサルと経営コンサルの違い
「戦略コンサル」と「経営コンサル」は混同されがちですが、依頼する側にとって重要な違いがあります。経営コンサルティング全体の定義と依頼の流れは、経営コンサルティングとは|依頼の流れ・料金の決まり方・選び方で整理しています。
| 戦略コンサル | 経営コンサル(広義) | |
|---|---|---|
| 主な対象課題 | 全社成長戦略、M&A、新規事業参入、デジタル変革 | 業務改善、組織改革、IT導入、人事制度設計 |
| 典型的なクライアント | CEO・経営企画 | 事業部長・管理部門長 |
| アウトプット | 経営判断の「羅針盤」 | 業務プロセス・制度の「設計図」 |
ひと言で表現するなら、戦略コンサルは「5年後、10年後にどこへ向かうか」を決めるための支援であり、経営コンサルは「今の経営課題をどう解決するか」の支援です。自社が必要としているのがどちらなのかを最初に見極めることが、ファーム選びの第一歩になります。
戦略コンサルに依頼すべきケース・不要なケース
依頼すべきケース:
- 全社戦略の根本的な見直しが必要なとき(市場環境の激変、業績の中長期的な低迷)
- M&A・事業売却の意思決定を迫られているとき
- 新規事業・新市場への参入を検討しているとき
- デジタル変革(DX)の全社戦略を描きたいとき
- 経営陣だけでは「答え」にたどり着けない複雑な意思決定があるとき
依頼が不要(他の選択肢が適切)なケース:
- 既に方向性は決まっていて、業務オペレーションの改善だけが必要 → 業務コンサル/BPR
- ITシステムの導入・構築が主目的 → SIer/ITコンサル
- 人材育成・研修が主目的 → 研修会社/組織コンサル
- 営業力の強化が主目的 → 営業コンサル
【2026年版】戦略コンサルティングファーム主要14社の一覧と比較
ここからは、戦略コンサルティングファームの主要14社を発注者の視点で比較します。転職サイトのように「人気度」や「年収」ではなく、発注者が気にする軸 -- 支援テーマ、実行との接続、提案時に確かめる専門性 -- で整理しています。
MBB -- マッキンゼー・BCG・ベインの3社
「MBB」とは、McKinsey(マッキンゼー)、BCG(ボストン コンサルティング グループ)、Bain(ベイン・アンド・カンパニー)の頭文字を取った業界用語です。
MBBという呼称だけで優劣や最適な依頼先が決まるわけではありません。各社の公式情報と提案を確認し、自社の課題に対応する担当者・支援範囲を比較します。
| ファーム | 公表情報で確認する支援領域 | 提案時に聞くこと |
|---|---|---|
| マッキンゼー | 戦略、組織、デジタル等の支援 | 自社の意思決定に必要な論点と担当者の経験 |
| BCG | 戦略、変革、AI等の支援 | 構想・構築・運用のどこまで含むか |
| ベイン | 戦略、M&A、業績改善等の支援 | 調査と実行の接続、成果指標の定義 |
費用は後段で同じ人数・期間の試算として比較します。売上高や人数の大きさを、担当チームの品質や成果の順位へ読み替えないことが重要です。
外資系Tier 2 -- ATカーニー・ローランド・ベルガー・ADL・Strategy&
MBBと並んで候補に挙がることの多いファーム群です。「Tier 2」という呼称は転職業界の用語であり、プロジェクトの品質がMBBに劣るという意味ではありません。
| ファーム | 支援領域を確認する入口 | 発注時に確認する点 |
|---|---|---|
| カーニー | 戦略・オペレーション等 | 調達・製造・SCMなど対象課題の担当者と実行範囲 |
| ローランド・ベルガー | 戦略・事業変革等 | 対象業界の経験と必要な海外連携 |
| アーサー・ディ・リトル | 戦略・技術・イノベーション等 | 技術評価と事業性評価をつなぐ方法 |
| Strategy& | PwCネットワークの戦略支援 | 戦略・取引・実行の担当組織と連携条件 |
発注者としての使い分けポイント:
MBBほどの予算はないが戦略レベルの支援が必要な場合、課題の専門性に合わせてTier 2ファームを候補に入れるのは合理的です。上の表の「支援領域を確認する入口」で各社が公表している領域を確かめ、自社の課題と同じ業界・機能を担当するチームがあるかを提案時に確認してください。「課題の種類」でファームを選ぶと、候補を絞りやすくなります。
日系戦略ファーム -- DI・IGPI・CDI
日本企業の経営課題に深く根ざした支援を行う日系ファームも、発注者にとって有力な選択肢です。
| ファーム | 支援領域を確認する入口 | 発注時に確認する点 |
|---|---|---|
| ドリームインキュベータ | 事業創造・事業開発等 | 提言後の事業化支援と担当者の経験 |
| 経営共創基盤 | 経営支援・事業変革等 | 現場で担う責任と意思決定権限 |
| コーポレイトディレクション | 経営戦略等 | 自社の意思決定・組織に合わせた支援方法 |
発注者としての使い分けポイント:
日系ファームを検討する際は、日本企業の意思決定プロセス(稟議、合意形成、現場の巻き込み)にどう合わせて支援するかを確認します。外資ファームの提言が「正論だが現場が動かない」と感じた経験がある方は、この点を比較の軸にしてください。
例えば経営共創基盤(IGPI)は、公式サイトで「ハンズオン支援」の事例を公開しています。こうした支援では、提言だけでなく、現場で誰がどの責任を担うかまで確認すると、戦略と実行のつなぎ方を比べられます。
総合系ファームの戦略部門 -- デロイト・アクセンチュア・EY・KPMG
総合系ファームを検討する際は、戦略策定と、業務・ITの実装をどのチームが担うかを確認します。ここではデロイト、アクセンチュア、EY、KPMGを紹介します。アクセンチュアはBig4には含まれません。Big4はデロイト・PwC・EY・KPMGの4グループを指し、PwCのStrategy&は前段に掲載しています。
| ファーム | 公式情報の入口 | 発注時に確認する点 |
|---|---|---|
| デロイト | 戦略・事業変革・実装等 | 戦略担当と実行担当の役割分担 |
| アクセンチュア | 戦略・コンサルティング・技術等 | システム導入や運用を含む総額と範囲 |
| EY | 戦略・トランザクション等 | 戦略、財務、実行をつなぐ担当体制 |
| KPMG | 戦略・変革等 | 規制対応やリスクを含む必要専門性 |
実行まで一括で依頼する場合も、契約主体、各工程の責任者、成果物、追加費用の条件を確認します。組織規模だけでは、実際の支援範囲は決まりません。
発注者が見落としがちな「ランキングに載らない選択肢」
ここまで大手・中堅のファームを紹介してきましたが、戦略コンサルの選択肢は「ランキングに名前が載るファーム」だけではありません。
ブティックファームという選択肢 -- 大手の「弱点」を補う存在
大手ファームを検討する際は、次の点を確かめておくと、契約後の想定違いを防げます。
- 担当者の確認: 提案時に説明するシニアと、日常の作業を担うメンバーが異なる体制もある
- 費用の内訳: 大組織を維持するための費用が単価に含まれる
- 組織の境界: インダストリー(業界別)x ファンクション(機能別)のマトリックス組織のため、部門を跨いだ対応の進め方を確認する必要がある
これに対し、ブティックファーム(少数精鋭の専門コンサルティング会社)では、次の点を比較の軸にできます。
- シニアの直接関与: 代表やパートナーがプロジェクトに直接関与する体制を取りやすい
- 柔軟な契約: 月単位・テーマ単位でのスポット支援を相談しやすい。「3ヶ月のフルプロジェクトは要らないが、2週間の集中支援が欲しい」といった依頼の仕方もある
- 範囲を絞った依頼: 必要なテーマと稼働量に絞り、予算に合わせて依頼範囲を設計できる
なお、「ブティック=小規模」とは限りません。創業時は少数精鋭でも、事業の成長に伴って大規模な組織になった会社もあります。規模ではなく、担当者と支援範囲で比べます。
独立コンサル・フラクショナル経営という選択肢
大手ファーム出身者が独立し、パートタイムで経営支援を行うモデルもあります。「フラクショナル経営」や「パートタイムCxO」とも呼ばれます。
予算や必要な稼働量が大手ファームのプロジェクトに合わない場合、特定のテーマに絞って、経験のある個人に継続的に関わってもらう方法です。費用は後段の目安と、稼働日数・責任範囲をそろえて比べ、常勤の役員や大手ファームのチームと同じ役割を果たせるとは想定しないことが重要です。
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戦略コンサルの費用相場 -- ファーム規模別の目安と契約形態
「戦略コンサルは高い」というイメージがありますが、ファームの規模や契約形態によって費用には大きな幅があります。ここでは、発注者が予算計画を立てるための目安を整理します。
ファーム規模別の費用相場テーブル
| ファーム規模 | 月額/人 | 3ヶ月プロジェクト目安(4名チームの場合) | 典型的なチーム構成 |
|---|---|---|---|
| MBB | 700-1500万円 | 約1億3,200万円 | パートナー + マネージャー + アソシエイト2-3名 |
| 外資Tier 2 | 500-1300万円 | 約1億800万円 | パートナー + マネージャー + アソシエイト1-2名 |
| Big4戦略部門 | 200-500万円 | 約4,200万円 | ディレクター + マネージャー + スタッフ2-3名 |
| 日系戦略ファーム | 200-500万円 | 約4,200万円 | パートナー + コンサルタント1-2名 |
| ブティックファーム | 150-300万円 | 約2,700万円 | 代表/シニア + アソシエイト0-1名 |
| 独立コンサル | 100-200万円 | 450万円(1名アサインが前提のため他と定義が異なる) | 1名 |
※月額/人は、筆者が在籍時および独立後の案件で見た経験に基づく参考値であり、公表価格・市場平均・現在の各社の見積額ではありません。3か月総額は、独立コンサル以外を一律4名・フルタイムと仮定し、月額レンジの中点×4名×3か月で算出しています。独立コンサルは1名×3か月のため、対応範囲も異なります。実際の職位別単価・人数・稼働率・実費・税を含めた見積りで確認してください。
料金体系は、同じ条件の見積りで比べる
戦略ファームの費用は、職位別の単価、人数、期間、稼働率、実費で決まり、案件ごとの見積りで提示されるのが一般的です。特定のファームの料金体系を知りたい場合は、同じ課題・期間・成果物を示して見積りを依頼し、内訳を並べて比べます。
固定報酬のほかに、成果に報酬の一部を連動させる契約もあります。成果の定義や基準値の決め方は、成果報酬型コンサルとは|メリット・デメリットと契約の決め方で解説しています。
「高い」には理由がある -- 費用の中身を分解する
コンサルティング費用が高額に見える背景には、以下のコスト構造があります。
- 人件費: 職位・専門性・稼働率ごとの人件費
- ナレッジベース: 過去のプロジェクトで蓄積したフレームワーク・業界知見・ベンチマークデータ
- ブランドプレミアム: 「マッキンゼーに依頼した」という社内外への説明力
- チーム構成: 複数人が専属で稼働するため、人数x単価で総額が膨らむ
ここで重要なのは、金額だけでは最適な依頼先を決められないという点です。
自社の課題が全社戦略レベルの複雑な意思決定であれば、MBBの費用に見合う場合があります。一方、「事業部レベルの戦略見直し」や「特定テーマの壁打ち」であれば、ブティックファームや独立コンサルも候補になります。投資対効果で考える習慣が、ファーム選びの第一歩です。
自社に合った戦略コンサルの選び方 -- 事業戦略の課題・専門性・伴走力で絞る5つの基準
ランキングを見た後に最も重要な問いは、「で、自社はどこに頼めばいいのか?」 です。以下の5つの判断基準で、自社に合ったファームを絞り込んでください。
判断基準1 -- 事業戦略の課題の種類で選ぶ
事業戦略のコンサルを選ぶときは、最初に課題を分類します。課題によって、必要な専門性と、提案時に確かめる点が変わるためです。
| 事業戦略の課題 | 検討するファームの種類 | 専門性を確かめる質問 |
|---|---|---|
| 全社成長戦略・事業ポートフォリオの見直し | MBB、外資系戦略ファーム、日系戦略ファーム | 全社の資源配分を決めた案件で、担当者はどの論点を担ったか |
| 中期経営計画の策定・見直し | 外資系・日系の戦略ファーム、ブティック | 目標と施策・資源配分をどうつなぐか(参考:中期経営計画が形骸化する3つの罠) |
| M&A・買収先の事業評価 | 戦略ファーム、総合系ファームの戦略・取引部門 | 事業性の評価を財務・法務の調査とどう分担するか(参考:ビジネスデューデリジェンス(BDD)とは) |
| 新規事業の参入判断・立ち上げ | 戦略ファーム、日系戦略ファーム、ブティック | 参入判断の後、検証や事業化にどこまで関わるか |
| DX・AIを使った事業変革 | 戦略ファーム、総合系ファーム、専門のブティック | 構想から本番運用まで、どの段階を誰が担うか(参考:DXのPoC止まりを抜け出す方法) |
| 特定課題の壁打ち・セカンドオピニオン | ブティック、独立コンサル | 必要な稼働量と、判断材料として何を受け取れるか |
表は候補を絞るための目安です。同じ種類のファームでも、担当チームの経験は異なります。
判断基準2 -- 予算規模で選ぶ
| 月単価(人/月) | 選択肢 | 備考 |
|---|---|---|
| 700万円以上 | MBB | フルスコープの戦略プロジェクト |
| 500-1,300万円 | 外資Tier 2 | 専門性で比べる |
| 200-500万円 | Big4戦略部門、日系戦略ファーム | テーマを絞ったプロジェクト |
| 150-300万円 | ブティックファーム | シニアの直接関与、柔軟な契約 |
| 100-200万円 | 独立コンサル、フラクショナル | スポット支援、パートタイム稼働 |
※月単価は前掲の表と同じく、筆者の経験に基づく参考値です。
「予算がないから戦略コンサルは使えない」と諦めるのではなく、予算に合わせて依頼範囲と依頼先を選ぶという発想が重要です。
判断基準3 -- 業界・テーマの専門性で選ぶ
専門性は、ファーム名ではなく実際に担当するチームの経験で確かめます。各社の公式サイトにある業界別・テーマ別のページは候補を探す入口として使い、提案時に次の点を確認してください。
- 類似課題での役割: 自社と同じ業界・テーマの案件で、担当者自身が何を担ったか
- 初期仮説: 提案の段階で、自社の課題について具体的な仮説を示せるか
- 使う情報: 市場・競合・顧客について、どの情報源をどう調べるか
- 業界の制約の理解: 規制、商慣行、取引構造など、業界特有の条件を前提にした進め方になっているか
業界軸だけでなく、テーマ軸(M&A、DX、サステナビリティ、AI活用、営業改革等)でも確認します。RFP(提案依頼書)を出す際には、自社の業界xテーマに近い経験があるかを必ず確認してください。
判断基準4 -- 「誰が来るか」で選ぶ(アサインリスクの見極め方)
これは発注者が見落としがちな、しかし重要な判断基準です。
大手ファームでは、提案はシニアパートナーが行い、日常の作業は若手のメンバーが中心に担う体制もあります。「パートナーの知見が欲しくて依頼したのに、日常的に関わるのは別のメンバーだった」という想定違いを防ぐため、契約前に確認します。
契約前に確認すべきポイント:
- プロジェクトリーダー(日常的に手を動かす人)は誰か、名前と経歴を確認する
- パートナーの関与頻度(週1回のレビューだけなのか、日常的に関与するのか)
- メンバーの途中交代の可能性と、その場合のルール
判断基準5 -- 「戦略で終わらないか」で選ぶ(伴走力の確かめ方)
戦略コンサルに対してよく聞かれる不満は、「資料はできたが、実行に移らなかった」 というものです。戦略を策定した後の実行段階で、誰が何を担うかを契約前に決めておきます。
この課題への対処方法は2つあります。
- 実行支援まで含めて同じファームに依頼する: 戦略から実行までを一つの契約で扱うファームを選ぶ
- 戦略策定と実行支援を分けて依頼する: 戦略は大手ファーム、現場の実行は機動力のあるパートナーに任せる
どちらの場合も、伴走力は次の点で確かめます。
- 実行段階の役割: 施策の進捗管理、現場との調整、追加の分析のうち、どれを担うか
- 会議体と頻度: 経営陣・現場の担当者と、どの会議でどれだけ関わるか
- 成果物の状態: 「戦略レポート」ではなく、「意思決定が完了している」「実行計画が現場に落ちている」など、終了時の状態で定義されているか
- 引き継ぎ: 支援の終了後、社内で続けられるように何を残すか
戦略コンサルの選び方に迷ったら、まずは壁打ちから始めませんか? Facet Bridgeでは、ATカーニー出身のコンサルタントが無料で相談をお受けしています。「どのファームに相談すべきか分からない」「自社の課題に合ったパートナーを探したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。 → 無料相談はこちら
Facet Bridgeが整理した「提案書品質の見極めポイント」-- 発注者が知るべき評価軸
戦略コンサルへのRFP(提案依頼書)を出すと、各ファームから提案書が返ってきます。しかし、提案書の「見栄え」と「中身の質」は別物です。Facet Bridgeでは、発注者が提案書を評価するための5つの観点を整理しています。
1. 問題定義の解像度: 自社の課題を正確に理解しているか。「御社の課題は〇〇です」と明確に言い切っているか、それとも総論的な記述に留まっているか。
2. 論点設計の構造: 「何を解くか」が論理的に分解されているか。イシューツリーや論点の優先順位付けがあるか。Facet Bridgeの課題解決5ステップで言えば、Step 2(問題分解)の質が提案書の質を左右します。
3. 仮説の具体性: 初期仮説が提示されているか。「調査してから検討します」ではなく、「こう考えていますが、検証が必要です」というスタンスの提案は、プロジェクト開始後すぐに検証へ進めます。
4. 体制とアサイン: 誰がどの役割を担うのかが明記されているか。パートナーの関与頻度、リーダーの経歴、チームメンバーの専門性が具体的に書かれているか。
5. 成果物と成功基準: プロジェクト終了時に何が得られるのかが具体的か。「戦略レポート」だけでなく、「経営陣の意思決定が完了している」「実行計画が現場に落ちている」など、成果の状態が定義されているか。
これらの観点で提案書を評価すると、ファームの知名度に左右されず、提案の中身で比較できるようになります。
戦略コンサルへの依頼で失敗しないための3つのポイント
最後に、戦略コンサルへの依頼で失敗しないためのポイントを3つお伝えします。
失敗1 -- 「有名だから」で選んでしまう
「とりあえず有名なファームに頼めば間違いない」という発想は危険です。MBBが適するのは、主に全社戦略レベルの複雑な意思決定を扱う場合です。事業部レベルの課題や、特定テーマの深掘りであれば、そのテーマに経験のあるTier 2やブティックのほうが適することもあります。
ブランドではなく、「課題 x 専門性 x 予算」のフィットで選ぶのが鉄則です。
失敗2 -- 課題を明確にしないまま依頼してしまう
「全般的に経営を見てほしい」「なんとなく戦略を作ってほしい」という曖昧な依頼は、プロジェクトが迷走する原因になります。
依頼前に整理すべき5つの問い:
- 何が課題なのか?(売上低迷?コスト構造?成長鈍化?)
- なぜ今なのか?(なぜこのタイミングで外部支援が必要か)
- 何が分かれば意思決定できるか?(アウトプットの具体像)
- 社内で何ができていて、何ができていないか?(自社の能力の棚卸し)
- 予算と期間はどの程度か?
この5つが整理されているだけで、ファーム側からの提案を同じ条件で比べやすくなります。依頼の流れ全体は、経営コンサルティングを依頼する流れも参考にしてください。
失敗3 -- コンサルに丸投げしてしまう
成果が出るプロジェクトに共通するのは、クライアント側が主体的にコミットしていることです。コンサルタントは「外部の知見と分析力」を提供しますが、経営判断を下すのはあくまで経営者自身です。
特に重要なのは以下の点です。
- プロジェクトオーナー(経営者クラス)が定期的にレビューに参加する: 丸投げでは現場の文脈が伝わらず、「机上の空論」になる
- 社内のキーパーソンをプロジェクトに巻き込む: 戦略策定後の実行フェーズを見据え、現場のキーマンを早期から参加させる
- 「伴走型」のファームを選ぶ: 報告書を納品して終わりではなく、実行まで一緒に走る体制を契約で決める
まとめ -- 戦略コンサルランキングの「正しい読み方」
戦略コンサルティングファームのランキングやTier区分は、あくまで業界の全体像を把握するための入口です。ランキング上位のファームが、御社にとって最適なパートナーとは限りません。
本記事の要点を3つに凝縮すると、以下の通りです。
- ランキングは基準を確かめて読む: 人気・年収・規模の順位は、依頼先としての適合度を示さない。Tierも公式な格付けではない
- 事業戦略の課題で候補を絞り、専門性と伴走力で選ぶ: 課題に近い経験を担当者単位で確かめ、実行段階の役割まで契約前に決める
- 発注者としての「準備」が成果を左右する: 課題の明確化、同じ条件での見積り比較、主体的なプロジェクト参加が、コンサルティング投資の成否を分ける
戦略コンサルへの依頼は、経営の重要な意思決定のひとつです。ランキングを眺めるだけでなく、「自社の課題に最適なパートナーは誰か」という問いに正面から向き合うことが、成功への第一歩になります。
戦略コンサルへの依頼を検討中の経営者・事業責任者の方へ
Facet Bridgeは、ATカーニー出身のコンサルタントが設立したブティックファームです。大手ファームとブティックの両方を知る立場から、御社に最適なパートナー選びを含め、経営課題の壁打ちを無料で承っています。
「大手ファームに頼むほどの予算はないが、戦略レベルの知見が必要」 「どのファームに相談すべきか、まず第三者の意見を聞きたい」
そんな方は、まずはお気軽にご相談ください。
監修: Facet Bridge株式会社 代表取締役 高橋 ハリー寛(KPMG → A.T.カーニー → メルカリ)
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